国家試験では、「ショック」に関する問題がよく出題されます。
しかし、種類が多くて混乱しやすい分野でもあります。
まずは基本から整理していきましょう☺︎
ショックとは?
ショックとは、 全身の組織に十分な血液が行き渡らない状態です。
その結果、多臓器不全が生じる可能性があります。
ショックの主な症状(ショックの5P)
⭐️英単語の頭文字が全てPであることから、ショックの5Pと呼ばれています。
ショックの種類
ショックは、原因によって4つのタイプに分けられます。
① 出血性ショック(循環血液量減少性ショック)
体の中の血液量が減ってしまうことで起こるショックです。
たとえば
血液が減ると、全身に十分な血液を送ることができなくなり、血圧低下がみられます。それでも、なんとか血圧を維持しようと、心拍数(脈拍)が上昇します。
② 心原性ショック
心臓の働きが弱くなり、血液を送り出せなくなるショックです。
たとえば
血液の量が足りないわけではなく、 ポンプ(心臓)の力が弱いことが問題です。心臓は心房→心室→血管と順番に血液を送り出します。しかし、不整脈や心筋梗塞などによって、異常に心拍数が上がったり、下がったりすることで、心臓の1回の拍動で送り出される血液の量が減ってしまうため、なんとか血圧を維持するために、心拍数(脈拍)が上昇します。

③ 敗血症性ショック
感染によって血管が広がり、血圧が下がるショックです。
たとえば
感染が起こると、体内では免疫が働きます。感染源を排除するため、サイトカインという物質が免疫反応を促進しますが、サイトカインには血管拡張作用があります。血管が拡張することで、血液の流れがうまく保てなくなり、血圧低下や発熱などがみられます。
④ アナフィラキシーショック
強いアレルギー反応によって起こるショックです。
たとえば
アレルギーを持つ人がアレルゲンに触れると、「危険なもの」と判断し、過剰な免疫反応を起こします。その際、ヒスタミンという炎症物質が放出されますが、こちらも血管拡張作用があります。血管が拡張され、急激に血圧が低下し、呼吸困難やじんましんなどがみられることもあります。
発展!!
ショックの状態(ウォームショックとコールドショック)
先ほど述べた4種類のショックは大きく2つに分類できます。
ウォームショック
皮膚が温かい状態のショックです。
血管が広がることで血流が増え、手足が温かく感じられます。
コールドショック
皮膚が冷たくなる状態のショックです。血流が末梢まで届かなくなり、 手足が冷たくなります。
さらに、多くのショックは進行すると、この状態になります。
過去問チャレンジ
〈第1問〉ショックはどれか。(第103回追試 午後12問)
1. 顔面が蒼白になる。
2. 皮膚温が低下する。
3. 心拍数が増加する。
4. 血圧が維持されない。
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答え:4
いきなり難しかったと思います。ショックの5Pに蒼白があるのに、1じゃないの?と思いますよね。最初のショックの定義を振り返ってみましょう。ショックとは「全身の組織に十分な血液が行き渡らない状態」です。その結果、生じうる徴候がショックの5Pと呼ばれていますので、それら全てが生じるわけではありません。一方で、血液が行き渡らないわけですから、ショック状態では血圧は低下します。よって、答えは4になります。
〈第2問〉敗血症性ショックについて正しいのはどれか。2つ選べ。(第113回 午前84問)
1. コールドショックからウォームショックに移行する。
2. 血圧は上昇する。
3. 血中の乳酸濃度は低下する。
4. エンドトキシンが原因である。
5. 最重症の臨床像は多臓器不全である。
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答え:4、5
こちらの問題は、敗血症性ショックと敗血症のどちらの知識も必要とされますので、少し難しかったですね。まず、敗血症とは、感染に対する全身の炎症反応になります。敗血症の原因物質として、エンドトキシンという発熱物質があります。これは覚えておきましょう!
また、”ショックとは?”で学びましたが、血液が全身に行き渡らないことで「多臓器不全が生じる可能性」があることがショックの特徴です。よって、答えは4、5になります。
1:最初は血管が拡張して体温は上昇、その後は血管が収縮することで体温が下がるため、ウォームショックからコールドショックへ移行します。順序が逆なため✖️
2:血圧は低下するので✖️
〈第3問〉アナフィラキシーショックで正しいのはどれか。2つ選べ。(第108回 午後84問)
1. 副腎皮質ステロイドは禁忌である。
2. 徐脈になる。
3. 重症例では死に至る。
4. 気道粘膜の浮腫を生じる。
5. Ⅲ型アレルギー反応である。
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答え:3、4
1:アナフィラキシーショックを引き起こしたときは、エピペンというアドレナリン注射が使われますが、炎症を抑える作用のある副腎皮質ステロイドが使用される場合もあります。
2:アナフィラキシーショックの際には、血管が拡張し血圧が低下します。なんとか血圧を維持しようと心拍数が上昇するため、徐脈ではなく頻脈となります。
3、4:アナフィラキシーショックは重篤なアレルギー反応により、気道粘膜の浮腫が生じ、呼吸ができず死に至る可能性があります。
5:アレルギー反応はⅠ〜Ⅳ型の4種類に分けられますが、アナフィラキシーショックはⅠがアレルギー反応です。アレルギーの種類については、アレルギーについての記事で詳しく解説しています。
〈第4問〉末梢血管抵抗が低下するのはどれか。(第95回 午後15問)
1. 肺動脈塞栓症に伴うショック
2. 心筋梗塞に伴うショック
3. アナフィラキシーショック
4. 出血性ショック
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答え:3
抹消血管抵抗が低下するということは、血管が拡張するということです。選択肢のうち血管が拡張するのは、3のみです。
おつかれさまでした!!
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