呼吸不全とは
呼吸不全とは、血液中の酸素や二酸化炭素の状態が正常に保てない状態です。
呼吸不全の基準
動脈血酸素分圧とは、動脈血液中にどれだけ酸素が溶けているかを示す値です。
SpO2と違って、実際に採血を行なって測定する値ですので、より正確な指標となります。
呼吸不全の種類
①Ⅰ型呼吸不全:酸素だけが足りない状態
〈特徴〉
〈原因〉
肺炎、間質性肺炎、肺水腫 など、肺のガス交換障害によって起こる
②Ⅱ型呼吸不全:酸素が足りず、二酸化炭素も体内に溜まっている状態
〈特徴〉
〈原因〉
慢性閉塞性肺疾患(COPD)、呼吸筋低下、中枢抑制 など、換気障害によって起こる
👉進行すると、二酸化炭素が体内に蓄積することにより、体内のpHが酸性に傾き、CO2ナルコーシスという病態に移行します。CO2ナルコーシスが進行すると、意識障害や呼吸抑制をきたします。
呼吸不全の症状
もっと重症になると、
看護ポイント
過去問チャレンジ
〈第1問〉呼吸不全について正しいのはどれか。(第107回 午後28問)
1. Hugh-Jones〈ヒュー・ジョーンズ〉分類は呼吸困難の程度を表す。
2. 喘息の重積発作によって慢性呼吸不全になる。
3. 動脈血酸素分圧〈PaO2〉で2つの型に分類される。
4. 動脈血二酸化炭素分圧〈PaCO2〉が60mmHg以下をいう。
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答え:1
この記事では呼吸困難については記述しておりませんが、消去法によって回答可能です!
2:喘息の重責発作は一般に、アレルゲンに触れることで気道が狭窄し、急速に病態が悪化するため、急性呼吸不全となります。
3:呼吸不全の2つの型は、PaCO2の値によって分類されます。PaO2はⅠ型・Ⅱ型どちらも60Torr以下が基準となります。
4:呼吸不全は動脈血酸素分圧〈PaO2〉が60mmHg以下をいいます。
〈第2問〉次の文を読み問題2に答えよ。
Aさん(64歳、女性)は、慢性閉塞性肺疾患で通院加療中である。1週前から感冒様症状があり市販薬を服用し経過をみていたが、呼吸困難を訴えた後、反応が鈍くなり救急車で搬送された。Aさんは肩呼吸をしており、発汗が著明で口唇は乾燥している。体温38.3℃、呼吸数35/分、脈拍108/分、血圧96/70mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉89%であった。ジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉Ⅱ-30。動脈血液ガス分析では動脈血酸素分圧〈PaO2〉60Torr、動脈血炭酸ガス分圧〈PaCO2〉68Torr、pH7.29であった。
Aさんは肺炎による急性呼吸不全と診断され、点滴、膀胱留置カテーテルの挿入および気管内挿管が実施された。
このときのAさんの観察で最も注意すべき状態はどれか。(第105回 午前92問)
1. 呼吸音の減弱
2. 乏 尿
3. 血圧上昇
4. 末梢冷感
5. 下肢の浮腫
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答え:1
PaO2は60Torr、PaCO2は68Torrであることから、Ⅱ型呼吸不全であることがわかります。Ⅱ型呼吸不全では二酸化炭素が蓄積するため、体内のpHが酸性に傾き「CO2ナルコーシス」となるリスクが高まります。CO2ナルコーシスが進行すると、意識障害や呼吸抑制が生じ、呼吸回数が減少し呼吸が浅くなります。よって、呼吸音の減弱はCO2ナルコーシスの早期発見に重要な観察項目です。
おつかれさまでした!!呼吸の観察についてはこちらから*・゜゚・*:

