術後せん妄の看護計画|看護学生向けにアセスメント・OP TP EPをわかりやすく解説

術後せん妄とは?

術後せん妄とは、
手術後に一時的に意識や認知機能が混乱した状態です。
特に高齢患者さんに起こりやすく、

  • 見当識障害
  • 興奮
  • 不穏
  • 幻覚
  • 点滴自己抜去

などがみられることがあります。

なぜ術後せん妄が起こるの?

原因

  • 手術侵襲
  • 麻酔
  • 疼痛
  • 環境変化
  • 睡眠不足
  • 高齢
  • 認知機能低下

などが影響します。

特に術後は、
身体的・精神的ストレスが大きく、
せん妄を起こしやすい状態です。

優先観察ポイント

意識状態

  • 呼びかけへの反応
  • 傾眠
  • 興奮

見当識

  • 日付
  • 場所
  • 自分がわかるか

行動

  • 点滴を触る
  • ルート自己抜去
  • 離棟
  • 転倒リスク

睡眠状況

  • 昼夜逆転
  • 不眠

疼痛

疼痛によるストレスが、
せん妄悪化につながることがあります。


看護問題

術後せん妄そのものに着目する場合

  • 手術侵襲や環境変化に伴う急性混乱状態
  • 麻酔や疼痛、不眠に伴う術後せん妄

安全面のリスクに着目する場合

  • 術後せん妄による見当識障害に伴う転倒転落リスク状態
  • 不穏行動に伴う自己抜去リスク状態
  • 注意力低下に伴う外傷リスク状態

睡眠・精神面に着目する場合

  • 環境変化や不安に伴う睡眠パターン混乱
  • 術後せん妄による不安

看護目標

短期目標

  • 安全に入院生活を送ることができる
  • 転倒・自己抜去なく過ごせる

長期目標

  • 精神状態が安定して過ごせる
  • 術後回復を促進できる

看護計画

OP(観察計画)

  • バイタルサイン(体温、血圧、脈拍、呼吸数)
  • JCS/GCS
  • 呼びかけへの反応
  • 会話のつじつまが合うか
  • 日付や場所がわかるか
  • 表情
  • 落ち着きのなさ
  • 点滴やドレーンを触る様子がないか
  • 夜間不眠の有無
  • 昼夜逆転の有無
  • 疼痛の程度(NRS)
  • 疼痛部位
  • 疼痛による苦痛表情
  • 疼痛で眠れているか
  • 術後回復状況(離床状況、活動量)
  • 食事摂取量

TP(援助計画)

  • 時計やカレンダーを見える位置に置く
  • 日付や場所を繰り返し伝える
  • 夜間は消灯し睡眠環境を整える
  • 日中は離床を促す
  • 必要時ナースコール使用を説明する
  • 点滴類は患者の視界から整理する
  • 離床時は付き添う
  • 疼痛コントロール後に離床援助を行う

EP(教育計画)

  • ナースコールを使用してから移動するよう説明する
  • 点滴やドレーンは治療に必要であることを説明する
  • 夜間不安時はスタッフへ声をかけるよう説明する
  • 昼夜逆転予防のため、日中の離床の必要性を説明する
  • ご家族へ術後せん妄が一時的に起こる可能性があることを説明する
  • ご家族へ安心できる声かけや関わりの重要性を説明する

アセスメント例

患者さんは術後2日目であり、高齢で環境変化への適応が難しい状況である。
夜間不眠や見当識低下、不穏行動がみられており、術後せん妄を起こしている可能性が考えられる。
また、点滴ルートを触る様子があり、自己抜去や転倒リスクが高い状態である。
疼痛によるストレスもせん妄増悪因子となるため、疼痛コントロールと安心できる関わりが必要であると考える。

実習で指導者さんによく聞かれること

Q. なぜ高齢者は術後せん妄を起こしやすいの?

「高齢者は環境変化への適応力や認知機能が低下していることがあり、手術侵襲や麻酔、睡眠障害などの影響でせん妄を起こしやすいためです。」

Q. なぜ疼痛コントロールが必要なの?

「疼痛によるストレスがせん妄悪化につながる可能性があるためです。」


術後せん妄は、
高齢患者さんの術後によくみられる合併症のひとつです。

「なぜその行動が起きているのか?」
を考えながら関わることで、
アセスメントや看護につなげやすくなります。

今後も、
看護学生さんが実習で使いやすい形で、
看護計画やアセスメントをまとめていく予定です。

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