分娩予測の考え方|分娩の4要素からわかりやすく解説

はじめに

助産実習では、

「今後どのように分娩が進行すると考えられるか」

を予測することが求められます。

しかし、

  • 分娩予測って何を書けばいいの?
  • 順調そうです、だけではダメ?
  • 何を根拠に予測するの?

と悩む学生も多いのではないでしょうか。

分娩予測は勘で行うものではありません。

現在の分娩進行状況や分娩の4要素を総合的に評価し、今後の経過を予測します。

この記事では、助産学生向けに分娩予測の考え方をわかりやすく解説します。


分娩予測とは

分娩予測とは、現在の母児の状態から今後の分娩経過を予測することです。

分娩予測を行うことで、

  • 分娩が順調に進行するか
  • 分娩遷延のリスクはないか
  • 胎児機能不全のリスクはないか
  • 経腟分娩が期待できるか

などを考えることができます。


まずは現在地を確認する

分娩予測を行う前に、まず現在どの段階にいるのかを把握します。

初産婦・経産婦

分娩所要時間の目安

初産婦

  • 分娩第Ⅰ期:10~12時間
  • 潜伏期:8〜9時間、活動期:5〜6時間
  • 分娩第Ⅱ期:1~2時間
  • 分娩第Ⅲ期:30分以内

経産婦

  • 分娩第Ⅰ期:4~6時間
  • 潜伏期:5〜6時間、活動期2〜3時間
  • 分娩第Ⅱ期:30分〜1時間
  • 分娩第Ⅲ期:10〜20分

※あくまで目安であり個人差があります。


現在の分娩時期

潜伏期

  • 子宮口開大 0~3cm程度
  • 陣痛間隔 5~10分
  • 持続時間 30~40秒

活動期

  • 子宮口開大 4~7cm
  • 陣痛間隔 2~5分
  • 持続時間 40~60秒

移行期

  • 子宮口開大 8~10cm
  • 陣痛間隔 1~3分
  • 持続時間 60~90秒

まずは現在どの時期にあるのかを把握しましょう。


フリードマン曲線を参考にする

分娩予測では、子宮口開大が順調に進行しているかを確認します。

例えば、

14時:子宮口4cm➡︎16時:子宮口6cm

であれば、1時間あたり1cm開大と、活動期として概ね順調な経過と考えられます。

一方、

14時:子宮口4cm➡︎18時:子宮口5cm

の場合は、4時間でたった1cm開大と、進行が停滞している可能性があります。

ただし、近年はフリードマン曲線のみで判断するのではなく、母児の状態を総合的に評価することが重要とされています。


分娩予測で確認する4つのポイント

① 娩出力(Power)

娩出力とは、児を娩出するための力のことです。

観察項目

  • 陣痛間隔
  • 陣痛持続時間
  • 陣痛強度
  • いきみ

評価

良好な例

子宮口6cm

陣痛間隔3分

持続時間50秒

→ 時期に応じた有効陣痛が得られている

注意が必要な例

子宮口6cm

陣痛間隔8分

持続時間30秒

→ 微弱陣痛が疑われる


② 娩出物(Passenger)

娩出物とは胎児や胎児付属物を指します。

観察項目

  • 胎位
  • 胎向
  • Station
  • 回旋
  • EFW
  • 胎児心拍

評価

良好な例
  • 頭位
  • LOA
  • Station±0
  • 回旋異常なし
  • CTG reassuring

→ 順調な経過が期待できる

注意が必要な例
  • 児頭下降不良
  • 回旋異常
  • 巨大児
  • NRFS

→ 分娩遷延や急速遂娩の可能性


③ 産道(Passage)

産道の状態も分娩進行に影響します。

観察項目

  • Bishop Score
  • 頸管熟化
  • 骨盤

Bishop Score

  • 0~4点:未成熟
  • 5~8点:やや成熟
  • 9点以上:成熟

評価

良好な例

BS 10点

→ 産道成熟

注意が必要な例

BS 3点

→ 分娩進行停滞の可能性


④ 心理的要因(Psyche)

分娩予測では心理面の評価も重要です。

観察項目

  • 不安
  • 恐怖
  • 疲労
  • 疼痛への対処
  • 家族支援

良好な例

  • 呼吸法実施できる
  • 落ち着いている
  • 家族支援あり

注意が必要な例

  • 強い不安
  • 過換気
  • 全身の緊張
  • 疲労蓄積

不安や恐怖が強い場合、筋緊張によって疼痛が増強し、分娩進行が停滞する可能性があります。


分娩予測の記載例

順調な経過が予測される場合

初産婦であり現在活動期にある。子宮口開大は順調に進行しており、陣痛間隔3分、持続時間50秒と有効陣痛が得られている。
児頭はStation±0まで下降しており、回旋異常は認めない。
胎児心拍数モニタリングでも異常所見はなく、胎児の健康状態は保たれている。
また、呼吸法を実践しながら陣痛に対処できており、家族の支援も得られている。
以上より、分娩の4要素に大きな異常は認めず、今後も順調に分娩が進行し経腟分娩に至る可能性が高いと予測される。


分娩遷延が予測される場合

初産婦であり現在活動期にあるが、子宮口開大の進行が緩徐である。
陣痛間隔は7〜8分、持続時間は30秒程度であり、有効陣痛が十分に得られていない。
また、陣痛発来から長時間経過しており疲労の蓄積がみられる。不安も強く、疼痛への対処が困難な様子がみられる。
以上より、このまま微弱陣痛や疲労が継続した場合、分娩遷延に至る可能性があると予測される。


まとめ

分娩予測では、

  • 現在の分娩進行状況
  • フリードマン曲線
  • 分娩の4要素

を総合的に評価することが重要です。

特に、

① 娩出力

② 娩出物

③ 産道

④ 心理的要因

の4つの視点から考えることで、根拠を持った分娩予測ができるようになります。

実習では「順調そう」と記載するだけではなく、「なぜそう考えたのか」を説明できるようにしましょう。


掲載内容について、ご質問がございましたら、以下の各種SNSよりお気軽に問合せください

こうのとりちゃんの国試ノート

やさしく、でもちゃんとわかる国試対策

つまずきやすいポイントも、
こうのとりちゃんが一緒に整理していきます。

かわいく、おしゃれに勉強したい方におすすめのサイトです。

助産実習
こうのとりちゃんをフォローする